お墓のマナー、常識目次

お墓とは何なのでしょう。

お墓は人が人生を終えて、人が生まれた自然に還ることです。
人間は広い意味で地球から生まれた生き物です。
地球の自然「土」から生まれ、土に還ることです。
海であろうが山であろうが地球の自然に還ることです。
「自然回帰」と言います。
墓石はいわば標識です。
家族や親族や社会への標識なのです。
別の言葉では「位牌」です。
「位」とは「人」と言う意味です。
各位=それぞれのみなさん、という意味ですね。
「牌」は札という意味です。
マージャン牌、という言葉があります。
位牌=人札、ということです。
自然に還ったところに、その人の札を立てる、というのがお墓なのです。

漢字に見る「お墓」の歴史とは何でしょう。

漢字はもともと、その漢字が生まれた時の本質を表しているものが多く見られます。
「墓」と言う文字をよーくご覧ください。
まず、一番下に土があります。
その上は大、大きなという意味ですね。
両方合わせて「大きな土」です。
そう上は日、つまり太陽ですね。「太陽が輝く大地」ですね。
そして最後の一番上は草冠、つまり草がいっぱいの野原と言う意味です。
お墓とは“太陽が輝く草の生えた野原の大地”という意味なのです。
自然に還ることを「お墓」の文字も教えています。
これも「自然回帰」です。

現代の石墓はカロートと言う、石の小さなコンクリの部屋に、しかもご遺骨を壷に入れて、収納しています。
土には触れていないのです。
これは厳密には、埋葬ではありません。
少し変な話ですが、これも明治、大正、昭和初期の日本のお墓業者が作った、生活習慣がもたらしたものなのです。
火葬された焼骨を瀬戸物の壷に入れて、それを桐の箱に入れたのが始まりでしょう。
そしてその壷をそのまま入れるカロートという、お墓の裏側の小室に入れたのが埋葬ななりました。
親子、家族がこのカロートに入ったのでした。
「家墓」です。現代はこの「家墓」が少なくなり、「故人墓」あるいは「夫婦墓」が多くなっています。

お仏壇の「壇」って、何だと思いますか。

壇とは、野原で仏を埋めて、泥の小さな丸い山を作ったものを意味しています。
わかり易く言うと「泥まんじゅう」です。
もともとはこうしたカタチで亡くなられた人を弔ったわけです。
そしてその泥の小さい山に木を植えました。
樹木葬のルーツでしょうか。
昔は人が生まれても、亡くなっても樹を植えました。
記念樹です。
もともとは『自然回帰』なのです。

仏壇は、今の仏壇の意味は、全く違った意味になってしまっていますね。
言葉や文字は生まれと伝わった別の場所では、全く違ってしまっている例がたくさんあります。
お仏壇もだんだん無くなって来ています。
釈迦の弟子(仏教入門者)につける戒名も、付ける人も少なくなっています。
その戒名を書く位牌も無い。
それを飾る仏間も仏壇も無い。
現代の宗教観も部屋の生活様式も、もの凄く変って来ています。
現代脱宗教とインテリア感覚で、お仏壇に代わる手許供養は何でしょう。
これは仏教離れ、宗教離れです。これは仏教に限らず世界的な傾向です。

日本の葬儀・葬祭・典礼の歴史とは。

もともと葬儀は宗教とかかわりがあります。
が、葬送が葬儀や葬祭と言う「儀や祭」と言うカタチになったのは、江戸時代の中世以降からです。
庶民の葬祭は江戸時代になってからだと言われています。

具体的には「キリスト教弾圧」によって、時の幕府は教会の機能に代わるものとしてお寺を置きました。
キリシタン教会の教会員に相当する人を、檀家というカタチにしました。
洗礼したキリシタン・ネームを戒名というカタチにしました。
お葬式のカタチも、キリスト教の礼拝や聖餐式のカタチを、参考にしたと言われています。
キリスト教の礼拝祭典は2000年もの昔から伝えられています。
2000年前の古代では、教会は自治体の役目もしていました。
生まれれば教会で洗礼、つまり登録です。
結婚も教会、集まりも教会、学びも教会、薬も教会、亡くなっても教会でした。

日本のお寺は教派によっていろいろです。
葬儀だけをする葬儀仏教のお寺が檀家登録、戒名、葬儀だけを取り入れました。
お寺がやったことと、教会とは少し違います。
でも、日本の国民は、この仏教葬儀を国家的な習慣として今日まで、根底には流れています。
お世話になったわけです。

現代の入墓の種類(お墓の種類)

お墓はご遺体を弔うところです。
これは遺体を、「亡くなった生のまま土葬」するカタチと、「火葬で焼骨にして埋葬」する方法とあります。
これは宗教によって異なっていました。
キリスト教のカトリック系イスラム教系は、体の蘇りを重んじて、土葬が主体でした。
日本は先の戦争で何百万人の方が亡くなり、昭和23年に「墓地埋葬法」が新しくなって衛生上の問題もあり、火葬が一気に増えました。
当時は50%:50%でしたが、現在は火葬率100%近くになっています。
現代はキリスト教系の国も火葬率100%を目指しています。

葬儀はやはり民族的な宗教が多く、各国いろいろなカタチが行われています。
日本の仏教などは発祥はインドの宗教で、キリスト教はイスラエルやヨーロッパの宗教です。
日本の仏教は日本民族の民族宗教のカラーが薄く、沢山の輸入宗教のある日本は、もともと仏教徒では無く、式典だけに仏教方式をとり入れていただけの生活習慣でした。
現代では生活習慣の宗教離れの流れが強く、無宗教が多くなっています。
何故か、それは宗教観が無い仏教式典が業者によって高額になっていることが言えます。

お墓は日本の「ご供養・・・ご供養」というカタチの、2000万円~350万円、安くても350万円~100万円と、何百万円と言う高額墓は、世界でも稀有な特異な仏教式典のカタチです。
これは葬儀業者やお墓業者が作った結果だと言うことが言えます。
主体が僧侶から業者に移ってしまったのです。
埋葬墓、散骨墓、自然葬。
全て自由と言う法律で決められた国が先進国では殆どです。
しかも安く殆どの国が日本円で30万円~50万円程度です。
散骨などの自由葬は、東洋でも中国・韓国・インド・ニュージーランド・オーストラリアは全て認められています。
イギリスの薔薇園への散骨葬や、スウェーデンの森、アメリカでの豪華なクルーザーでの海洋葬など、散骨葬などは、今や現代の人気のタイプです。

世界の宗教とお墓の関係は

世界の大きな一つの流れでは、「石造りの墓碑を残さない」方向が進んでいます。
墓石屋さんにとってはたいへんです。 中国では、特別な社会的、歴史的に名を残す人意外は、石造りの碑を認めていません。
上海市などは、庶民の遺骨は骨粉にして、揚子江の河口に市が大型船で散骨処理をしています。
中国政府は墓地が増えて、活用土地が減ることもマイナス要因としています。
一党独裁政治だからできることかもしれません。
でも、今やGNP世界第二位の成長国の中国です。
世界は変わっています。
日本は島国でこうした葬送の世界の流れからも、もの凄く遅れてしまっています。

仏教の生まれた国、インドなどももともとインダス川に散骨することが、ヒンズー教の目指すところです。
当然、石碑はありません。
イギリスの薔薇園散骨、スウェーデンの森散骨、いづれも石碑はありません。海洋散骨も石碑は当然ありません。

その代わり、ヨーロッパなどでは、日本語で言う『お手許供養』の写真飾りとか、部屋に飾る素晴らしい金や宝石のメモリアル・オーナメントなどが発達しています。
日本のお仏壇も少なくなりました。
現代生活では仏壇を置く場所もありません。
インテリア的にも不似合いです。
その前に仏教徒の名前である戒名も、少なくなりましたし、それを書いた位牌も少なくなりました。
位牌に実名を書くのもおかしなものです。
それを仏壇に入れるのも不釣合いです。
仏壇はこうした運命を辿っています。

お仏壇の価格は、お墓と同じように数百万円、数十万円と高額です。
廉価の安いものでも五万円、十万円、とします。
それに位牌やお鈴や花立、お線香立てなどの付属品を入れたらたいへんな金額になります。
純金のお鈴は100万円もします。
本来の「供養」とは、少し違う方向に進んでしまいました。

日本の葬送は、世界に比べてどうなのでしょう

日本には「墓地埋葬法」という法律があります。
昭和23年、先の戦争が終わったすぐ後に出来た法律です。
戦争では何百万人の日本人が亡くなりました。
その処理のための法律でもありました。

当時、日本では火葬・土葬が50%づつでした。
これを火葬率を上げること。
葬儀埋葬権を宗教法人に権利を与えたのです。
宗教法人法も改正されたばかりでした。
お寺もお坊さんだけで働く人はいません。
そのお寺に権利を与えたのです。

そこに目を付けたのが大手デベロッパーです。
お寺にその名義を借りてお墓の経営を始めました。
お寺に与えた権利を、使っているのはデベロッパーや石屋さんたちです。
首都圏近郊に大きな土地を買い、石の埋葬墓をつくり何百万円というお墓を「ご供養」と称して販売を始めたのです。

自治体もこれに乗じて販売を始めました。
お寺は経営者がいないので、この流れから取り残されてしまったのです。
今、お寺は苦境に立っています。
都会のお寺はマンションや駐車場で食べています。
檀家制度も崩壊してしまいました。
田舎のお寺では後継者もいなくて廃業に迫られています。
おかしな構造だと思いませんか。
これにも「仕分け人」が必要かもしれません。

「黒から白へ」と言う、葬儀屋さんが、人気を集めています。
葬儀は大分「白」になって来ました。
お墓も「黒から白へ」の時代です。
これに勇気をもって決めるのは市民の皆様です。

アメリカ、ヨーロッパでは、民間の明瞭会計の業者組織がちゃんとあります。
その組合が社会的責任を果たしています。
お墓は50万円前後の適正な価格、自由な葬送を普及しています。
そうした意味では日本は超三流国ということが言えます。
都も市も町もそうした流れで来ましたので、未だに、東京都営墓地でも民間より安いとは言え、まだ高い150万円~100万円お墓を販売しています。

また、お墓を買っても(本当は永代供養という長期借用契約)、管理費が高く、年間15、000円~3、000円程度です。
都や市のお墓でも12、000円~8、000円です。
管理と言っても掃除程度です。

ここ数年、現代の市民はこうした異常な状態に気付き始め、樹木葬、自然葬、散骨と言う「自然回帰」の、新しい葬送を求め始めました。
政府総務省も監督官庁の厚生労働省もこれを認め、世界並みに、やっとこうした古い葬送の国を抜け出しつつあります。
神奈川県は他県や東京都に比べて進んでいます。

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